職場のデスクにプライドフラッグ立てちゃおう大作戦 ~その後の経過~
職場のデスクに、自分のジェンダーアイデンティティーを平易な言葉で書き添えたプライドフラッグを立てて約一ヶ月が経過した。今回は周囲の反応を書き留めたい。
以前の記事でさらっと「職場のデスクにプライドフラッグを立てている」と書いたが、そもそもどういう状況なのかというと、
これを細工して
こういう状態になっている。
最初は隣の席にいる上司(快く受け入れてくれた)以外ほぼノーコメントだったので「みんなそんなに他人のデスクとか見てないんだなぁ」とぼんやり思っていたが、つい先日「見学に来た外部の方があなたのデスクにぶっ刺さった旗を見てすごい顔をして、それ以降あなたに話しかけなかったよ」と上司に教えてもらい、意外と皆さんの視界に入っていることが発覚した。
その一件をきっかけに、この旗について同じチームの同僚たちから感想を聞けた。
曰く、「別になんにも気にしてなかった。『そういう人もいるよなぁ』程度に思ってた。むしろ直接口頭で言われるより反応に困らないし分かりやすいから親切では?」「そもそもそれは仕事に関係ないじゃんと思ってる(だから先日の外部の人のように、私のSOGIが不当な評価に繋がるのはおかしいというようなニュアンスだった)」だそうです。
めちゃくちゃ恵まれた環境に感謝する一方、上司のさらに上司や違うチームの同僚など、私のプライドフラッグによるカミングアウトを『都合よく忘れる』人や『見えなかったことにする』人たちもいたので、それとなく話を聞いてみた。
曰く、「えっww、分かんないです分かんないですww」を繰り返すばかりで話が進まなかった。なので「それは理解を拒否するという認識でOKですか?」と聞いたら「はい」と答えられたので、深追いはせず答えてくれたことに礼を述べてその場を切り上げた。
分かったことをまとめると
・視覚的に常に示すことによりクィアの不可視化に抗う試みは、(あくまでも恵まれた環境である私の周囲では)ある程度成功した。
・口頭で直接カミングアウトされるより誰でも見れるプロフィールに書いておくみたいな行動の方が、カミングアウトをされる側の負担は少ないこともある。
・どのような方法を取ろうとシスヘテロ以外を受け入れたくない人はいるが、クィアであることをオープンにしているとそういう人はあまりこっちに近寄らなくなるし、性別についての言及は減った。
・ただ、ある程度関係性の下地が出来ている人には有効だったが、全く関わりの無い外部の他人には「近寄りがたい」と遠巻きにされるだけで終わるというリスクもあるので、不特定多数と調和する必要のある場面では悪手になることもある。
もちろん、上記のようなカミングアウトを全員にやれとは言ってないし、全員が同じことを出来る状況だとは微塵も思っていない。薄氷を踏むような状況で、自分のSOGIを隠してなんとか生き延びている人たちもたくさんいると知っている。
だからこれを読んだ人は、全員が私のようなオープンクィアでいるべきだとは思わないで欲しい。それでも、それぞれに出来ることを無理のない範囲でやっていきたいと私は思っている。少なくとも私には可能な状況だったからやっている。
というか、私にはこうするしかなかった。堂々とノンバイナリ―でいられる特権と引き換えに、今まで色んな仕事や人間関係を捨ててきた。
それでは引き続き、仕事や生活をしながら、クィアなノンバイナリ―として男女二元論に抗い生きていきます。