君の宝石は絶対に割れない

それでも私は生きていく

魂のダイヤモンドを研磨せよ――imaginary創刊号感想

者達!!!imaginary創刊号を読みましたか!?!?
私は読んだので感想を書きます。本稿に直接的なネタバレはないので、既に読んだ人やこれから読む人だけでなく楽しそうなオタクがワーワー騒いでる文章が読みたい人もぜひ気軽に読んでね。


※100%感想なので、内容を要約して紹介したりはしません。気になる人は本誌を読みましょう。

「imaginary VOL.01」
https://twitter.com/imaginary_tokyo/status/1468423992680009733?t=09_srsFt4KUIokBMHzfLKw&s=19

公式サイト
https://www.imaginary.tokyo/

版元直売通販ページ
https://yumemibooks.thebase.in/items/56358958




「ギリ分かりそう」な情報がこれでもかと言うほどギッシリ詰まっている。今はまだギリ手が届かないけど、きっともうすぐ手が届くはず――そして手が届いた時、きっと私の人生を助けてくれるだろうという確信のある言葉たちがダイヤモンドのような密度でB4の紙媒体に閉じ込められている。
読んですぐに全てを理解はできないが、それが気持ちいい。目にして一瞬で「分かる」なんて共感された気になられていいねで消費されるのは、それこそバズり貧乏だ。前提となる文脈が多く必要で難しくて複雑な話はバズらないけど、その複雑さを少しでも理解しようと自分なりに調べて自分なりに考える過程は、SNSをダラダラ眺めるより圧倒的に豊かな体験である。本来読書ってそういうものでしょ?とスマホに毒された現代人に思い出させるドデカい紙面の力。

読めば読むほど、私の魂のダイヤモンドが研磨されていくのが感じられる。
今まで確かに目の前にあったのには気付いていたけどハッキリと輪郭を持って認識出来なかった事柄が、こうして雑誌で文字数を割いて丁寧に言葉になって論じられることで、初めて実像が掴めた。

私の魂のダイヤモンドが研磨されていく。同時に、自分に足りないもの、欲しているものがだんだん浮かび上がってくる。
自分の取っていたファッション生存戦略に「パフェライク」という名前がつけられたことにより、自分以外にもこの生存戦略に舵を切っている人がたくさんいると知った。でも誌面のパフェライクな人々を見て、私にはまだ足りないものがあると痛感した。気に入ったパーツを寄せ集めてパフェを作るように服を着ている。けれど私は、パーツひとつひとつに対する動機や文脈が薄すぎるのだと気付かされた。もはやセカンドストリートをウロウロ徘徊している場合ではないのではないか?ひとつひとつに対する動機が弱ければそれはパフェではなく単なるガラクタの箱詰めだ。
分からない、普遍的なパーツを寄せ集めることがダメなのではなく、どう寄せ集めるか。どう組み合わせるか。普遍的なパーツに何を見出だすか。どういう地層を作りたいのかがぼんやりとしているから私は私のパフェに満足いかないのだろうか。分からないけどこれだけは分かる、漫然と服を着ている場合ではない。

私にはまだ実力が足りない。修行中の人だ。修行中の身で服を着ている。私には多分、運命の服を探すのではなく自分の中にある動機を見極めてしっかり掴むことが必要だ。自分だけの方舟でどこに向かって進みたいのか見極めなければならない。えっ、これってファッションっていうか人生の話じゃん。でも人生の話なんだよな。ファッションを論じるという形で人生の新たな視座を提示している雑誌だから。

自分に足りないものを鋭く突きつけられるのは気持ちいい。安易な共感や慰めでは埋まらない隙間が存在する。その隙間を埋めるのは、彼我の差異だと私は思っている。ダイヤモンドを磨き上げるように、自分の実力不足で空いた隙間はドデカいキラキラをぶち込んで満たして昇華したい。もっともっと、硬く鋭く輝きたい。

imaginary読者の方を「ダイヤモンズ」と呼ぼうか、という話がダブル編集長であるゆっきゅんと水野しずさんお二人のポッドキャストで語られていた。
https://open.spotify.com/episode/6DIXey9ZSTqdqQAbzgpENh?si=RvKCMeXAQ8at9wB-sNBqsw&utm_source=copy-link

そうか、私はダイヤモンドだったのか……
これからもダイヤモンドとして、自分だけの人生をやりに行かせていただきます。

もっともっと、何度も読みます。この雑誌が存在してよかった。ありがとうimaginary。